デザイン 一覧 - コピック公式サイト https://copic.jp/interview_cat/design/ コピックは、Tooグループが開発したアルコールマーカーをはじめとする画材ブランドです。 イラスト、アート、デザイン、クラフトなど幅広い分野で活用されており、 現在は70ヶ国を超える世界各国で多くの方に愛用されています。 Fri, 22 Mar 2024 08:59:51 +0000 ja hourly 1 Cecilia Pettersson https://copic.jp/interview/design/cecilia-pettersson/ Wed, 14 Feb 2024 03:00:00 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=25339 セシリア・ペテルソンはスウェーデンのヨーテボリを拠点に活動するフリーランスのデザイナー/アーティスト。デザインの修士号を取得(2009年にヨーテボリ大学デザイン工芸アカデミー(HDK)卒)。セシリアはプリントパターンのデ […]

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セシリア・ペテルソンはスウェーデンのヨーテボリを拠点に活動するフリーランスのデザイナー/アーティスト。デザインの修士号を取得(2009年にヨーテボリ大学デザイン工芸アカデミー(HDK)卒)。セシリアはプリントパターンのデザインを専門としており、彼女の創作は、手描きのドローイングやペインティングから始まる。

通常、自分のことを「プリントパターンデザイナー」だと定義しています。衣料向け生地にプリントされるモチーフのイラストや、デザインパターンを描いたりしています

スウェーデンのヨーテボリ大学デザイン工芸アカデミー(HDK)でデザインを学びました。卒業後、グラフィックデザインに集中すべきか、イラストレーションに集中すべきか、それともプロダクトデザインに集中すべきか、自分の中で葛藤がありました。 修士課程に進み、パターンデザインを専門にすることに決めました。

パターンデザインは総合的で、すべてのプロジェクトが異なります。私のデザインが生地にプリントされることもあれば、壁紙になることもあります。

私のデザイン言語は、北欧のスタイルとはかけ離れていると思います。私のデザインはmore is moreで、多くの場合北欧デザインはless is moreですからね。でも、私はスウェーデンを取り巻く環境、自然にとても影響を受けています。モチーフに選ぶのはスウェーデンの動物であることが多いですし、森を描くのも大好きです。

私のインスピレーションのほとんどは、スウェーデンでの自然にとても近い生活から得ています。私のモチーフは、子ども時代とスウェーデンの自然から着想しています。通常の場合、実際にどう見えるかよりも、記憶やアイデアからイメージを膨らませて作品を制作しています。写真から絵を描くのは好きではなくて、例えば花を描くなら、実際の花を目の前にして描きたいのです。その花がどのように成長し咲いていくのかがわかりますからね。

スケッチがあまり得意ではないのもあって、コピックを愛用しています。インクから始めて、紙の上で起こることを中心にデザインを展開していくのです。大まかなプランはあるけれど、たいていの場合は流れに身を任せています!

はい、すごく影響を受けていますね。私にとって最大のインスピレーションの源です。

私にとっては、トレンドの方が関係していると思う。でも流行を追うべきか、それとも自分の道を行くべきかと考えたら、たいていの場合、流行は気にしないし、伝統に従うことも重視していません。私はただ自分のやり方で作品を創るだけです。

これまでに二件の公共事業を手がけました。ひとつは病院からの依頼で、待合室の天井と壁に反復されるパターンを描きました。蝶と、蝶が生命の象徴としてどのように変化していくかをテーマにしました。この病院では、イエスかノーか、つまり生きるか死ぬかの状況にある患者さんが多かったのです。私は蝶がどのように円を描きながら移動し、いつしかその繰り返しをやめ、別の方向へと飛んでいくのか、つまり新たな旅に出るのか、というテーマに取り組みました。このコンセプトで創作することで、アートやデザインが、人生においてクリティカルな局面に立たされた人々のために何ができるのか、いろいろと考えさせられました。アートがどれほど重要か、ということですね。

私にとってコラボレーションとは、クライアント、そして彼らが持っているアイデアを踏まえて仕事をすることだと思っています。簡潔な課題をもらい、それをビジュアルに変換するわけですが、それがクライアントの求めていたものということもあれば、共通認識を得るために何度もやり直すこともあります。そういったコラボレーションはいつもとても刺激的です。私にとってはドローイングを通じたコミュニケーションであり、クライアントのビジョンを実現するために努力しています。私はコラボレーションが大好きです!

主にコピックマーカーを使っています!お気に入りはマルチライナーの各色。大好きなので、もっといろんな色があればいいのにと思っています。私のポートフォリオを見ると、コピックマルチライナーの配色を見ることができ、コバルトブルーが私の絶対的なナンバーワンであることがわかります。絵を描くときはコピックマーカーを使います。私にとっては、ガッシュや他のリキッドペイントを使うのとほとんど変わりありません。色を重ねたり、混ぜたり、サーフェスを構築したり。インクの透明度が高いので、ほぼ永遠に色を重ねることができますしね。終わりがないんです!

コピックを使い始めたのは、パターンを専門に描き始めた2007年のことです。色の豊富さ、発色の良さ、適切な紙を使ったときのスムーズなタッチが気に入ったのです。多くのパターンデザイナーが伝統的にガッシュを使っていますが、私は何か違う画材を試してみたかったし、ペンで描くのも好きだったので、コピックが私の制作方法になりました。色のフィールドを使い、重ねることで奥行きを出していくのはとても楽しいです!色もたくさんありますしね!

それはもうコピックマルチライナーです!ペン先のサイズが選べるのがいいですね。彩色するときはコピックマーカーです。ニブを変えることで極細の線を描くことができますしね。エアブラシを使うのも楽しいし、コピックの多様多種なペン先とインクを使ってできることはたくさんありますから、コピックを探求するだけでも、私のアート人生のすべてを費やせそうな気がします!

YG45、コバルトグリーンにハマっています。いままで見た中でもっとも完璧なグリーンです。本当に多用していて、ほとんどすべてのデザインに使っています。クライアントと仕事をするときは、たいていパントーンのカラーパレットで色指定があるのですが、そこからコピックの色に変換します。時には、求めている色合いを得るためにインクを混ぜてカスタマイズしたりすることもあります。

コピックマルチライナーとコピックマーカーを組み合わせて使うといろいろなことができて、とても楽しいです。コピックの色はとてもバランスがいいと思っています。必要な色はほとんど揃っているし、ほしい色がなかったとしても重ね塗りしたり、空ペンでインクを混ぜてカスタムカラーを作ったりできますからね!

ペンを探求し、調べて、何ができるのか知りましょう。手直しすることやあきらめることを恐れないでください。うまくいかなかった作品でも、作品であることに変わりはありません。練習が鍵です!流れに身を任せて自分の限界に挑戦しましょう。スケッチではなく、ただ描くことです。あと、適切な紙を使いましょう。これはすごく重要なことなのです。

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LIXIL Global Design https://copic.jp/interview/design/lixil-design/ Wed, 22 Mar 2023 08:19:20 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=22925 スケッチの技術とデザインへのユニークなアプローチ:LIXILグローバルデザイン LIXILの社内デザインチームであるLIXIL グローバルデザインは、創造性、協同による作業、そして文化的多様性を尊重し、多面的な […]

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スケッチの技術とデザインへのユニークなアプローチ:LIXILグローバルデザイン

LIXILの社内デザインチームであるLIXIL グローバルデザインは、創造性、協同による作業、そして文化的多様性を尊重し、多面的なスキルセットとデザインへのユニークなアプローチで最高の作品を生み出しており、550を超える国際的なデザイン賞を受賞しています。

今回は、所属デザイナーであるベギュム・トムルクさんと冨岡陽一郎さんにお話を伺いました。

ご自身とグローバルデザインチームについて、簡単にご紹介ください。

ベギュム・トムルクさん
LIXILグローバルデザイン
リードインダストリアルデザイナー

ベギュムさん:ベギュム・トムルックです。LIXIL Global Design EMENAでリードインダストリアルデザイナーをしています。イスタンブール生まれで、2015年からこのデザインチームの一員です。

LIXIL グローバルデザインでは、トレンドやインサイトを消費者の体験やLIXILブランドの価値に変換しています。アメリカンスタンダード、GROHE、INAXなどのグローバルなブランドポートフォリオで、日々数億人以上に使われている商品を通じて、比類のない体験を提供しています。社内デザインチームである私たちは会社の「クリエイティブな腕」であり、すべての弊社ブランドにおいて消費者の声を代弁しています。

冨岡陽一郎さん
LIXILグローバルデザイン
クリエイティブデザインディレクター

冨岡さん:LIXILグローバルデザインでクリエイティブデザインディレクターをしている冨岡洋一郎です(みんなはトミと呼んでいます)。プロダクトデザインからブランドのグラフィック、UIデザイン、空間デザイン、展示会やショールームデザインなど、様々なクリエイティブディレクションを担当しています。 

LIXILグローバルデザインでは、常にチームで仕事をしています。我々はクリエイティビティ、コラボレーション、多様性を尊重し、さまざまな分野を横断して活動しています。東京、シンガポール、ニューヨーク、ロンドン、デュッセルドルフなど、世界で最もコスモポリタンで文化的に多様な都市に拠点を置くこのチームは、社内の多様なスキルセットを基に、新しい刺激的なデザインを創造しています。

あなたのチームは、革新的なデザインと優れた機能性を備えた世界的なベストセラー製品を生み出し、550を超えるグローバルデザイン賞を受賞しています。これらの優れた製品がどのように開発されたのか、また、プロダクトデザインにおいて重要なことは何なのか、お聞かせいただけますか?

ベギュムさん:私たちはデザイナーとして、新しい製品を世に送り出すという大きな責任を負っています。新しい製品をデザインする際には、トレンドや消費者のニーズ、そして生活の中でのユーザー体験に目を向けます。世の中は目まぐるしく変化していますから、製品は最新のトレンドから重要なメッセージを伝える必要があります。そのためには、製品の存在に「正当な理由」があり、ユーザーに真の利益をもたらすものでなければなりません。例えば、製品の寿命やサステナビリティなどは、新しい製品をデザインする際には常に重要な意味を持ちます。

冨岡さん:私たちの最終的なゴールは、世界中のすべての人に、より良い住まいを実現してもらうことです。目標達成のためには、消費者を深くリサーチし、理解することが必要です。そのため、すべてのデザインプロセスは、消費者中心の思考と、私たちがプレサーチと呼ぶ独自のアプローチから始まります。私たちのチームには、ユーザーアンケートを通じて消費者のインサイトを見出して、製品価値を設定するリサーチチームが含まれています。デザイナーは、アイデア出しや企画立案の全プロセスに携わります。仮説が可視化された時点で、スケッチやデザインの作成に取りかかります。

では、コピックはどのようにデザインの現場で使われているのでしょうか?

ベギュムさん:LIXILグローバルデザインにおいて、スケッチは重要なスキルです。デザインの過程ではアナログでもデジタルでもスケッチを描くのですが、これら2種類のスケッチを「アイデアスケッチ」と「プレゼンテーションスケッチ」に区別しています。どちらにも存在意義があるわけですが、その用途が異なるので比較することはできません。

まず1つ目のテクニックとして、アイデアスケッチについてお話します。デザイナーなら、誰でもデザインする過程でアイデアスケッチを描くと思います。CADでの3Dコンセプト構築前の、事前検討のために手早く描かれるスケッチ、というケースがほとんどでしょう。私の場合、アイデア出しは紙の上から始まります。愛すべきアイデアもあれば、ゴミ箱行きになるアイデアもありますけどね。
アイデアが浮かんだら、コピックのクールグレーを使い、軽いペンストロークで微妙な陰影をつけていきます。最初のレイヤーでは、コピックワイドマーカーを自由に使っていきます。あくまでごく初期段階のアイデアスケッチなので、過剰に描き込む必要はなく、シンプルに3D的な外観と素材のディテールを表現することに集中することにしています。


2つ目のプレゼンテーションスケッチでは、ハイクオリティなデザイン画を作成して完璧に近づけるのですが、アイデアスケッチよりはるかに精密で詳細な作業が求められ、通常かなりの時間を要します。こちらは主にデザインアイデアやストーリーを社内外に紹介するために使用されます。
最新のGROHEデザインスケッチでは、コピックワイドマーカーのストロークと、コピックAir Brushing Systemによるエアブラシのディテールを盛り込みました。ワイドマーカーは、デザインスケッチのベースとして使用すると、独特なレイヤーの深みを与えてくれます。この方法だと、なかなか真似できないような思いがけない結果を生み出すので、とても気に入っています。こういった細かいテクニックをテクスチャーのある背景と一緒に使うことで、立体感のあるルックを与えてくれるのです。

冨岡さん:そうですね、コピックの製品は本当にいろいろな用途で使っています。例えば、ワークショップでスケッチするときにも、コピックがあればブランドカラーのINAXブルーやLIXILオレンジをさっとアクセントとして加えることができます。また、リアルタイムで複数の人と何か共有したいときも、すぐに彩色できるよう、常にコピックマーカーをそばに置いています。

コピックマーカーを使い始めたのはいつでしょうか。また特にコピックを選んだ理由は何ですか?

ベギュムさん:私も大学1年生のときに使いはじめました。インダストリアルデザインについて学んだ最初の数年間は、アナログでのスケッチと視覚化が必須だったのです。可能な限り最高のツールで自分のスキルを伸ばしたいと思い、ブランドと製品の品質を信頼していたコピックを選びました。

冨岡さん:大学1年のとき、初めてレンダリングの授業を受講したのですが、コピックは指定画材だったのです。それ以来、スケッチやレンダリングにずっとコピックを使い続けています。

昨今、インダストリアルデザインにおいてデジタルツールやソフトウェアがよく使われていますが、コピックなどの伝統的な画材は、いまデザインのプロセスでどのように使われているのでしょうか?

ベギュムさん:私たちは、デザインプロセスが変化していることを認識しています。かつては、アナログなスケッチだけが、アイデアを視覚化する唯一の方法でした。しかし現在では、デザイナーは自分の思考を視覚的に説明するためにさまざまなツールを利用できるようになりました。デザインプロセスを容易にし、スピードアップさせることを目標として、新しい技術やソフトウェアが開発されています。しかしアナログスケッチはイメージをすばやく具現化し、発展させ、アイデアを伝えることができるので、今でも非常に重要な役割を担っていると思います。

冨岡さん:特にワークショップなどリアルタイムでのコミュニケーションで、複数のイメージを数人で同時に作成する場合ですね。シンプルに、とても実用的で便利です。

プロダクトデザイナーやインダストリアルデザイナーを目指す人たちにメッセージをお願いします。

ベギュムさん:私たちデザイナーにとって、消費者を中心とした思考と、目的を定めたアプローチからすべては始まるのです。私たちは長年にわたって変化してきたデザインプロセスを追いかけています。しかし、コピックで手早く描かれた初期段階のスケッチを同僚たちやチームと共有するアイデア出しの部分は、デザインプロセスの中で最も効果的かつ影響力のある部分として残りつづけています。

スケッチできる、というスキルセットは、あなたのキャリアを別のレベルに引き上げることができます。 それと、スケッチが伝える感情的な側面も忘れてはなりません。スケッチは、必ずしも合理的なものではないのです。実のところ、感情的で、芸術的で、クールで、活気に満ちたもので、私たちはそれを見て純粋に楽しんでいるんですよ。

冨岡さん:どの製品も、その背景にあるストーリーや目的がきちんとあった上でデザインされるべきです。誰が、どこで、どのような目的で使うのかを考えることが大切なのです。そのためには、実際に製品が使われる現場に出向いて、顧客の行動を観察し、インタビューを行うなど、リサーチすることが重要です。その上でストーリーを展開して、走り書きやスケッチからデザインを始めることができるのです。

LIXIL Global DesignのInstagramをフォローして、価値あるデザインコンテンツをお楽しみください。
https://www.instagram.com/lixilglobaldesign/

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Vexx https://copic.jp/interview/design/vexx/ Fri, 30 Sep 2022 08:49:42 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=21380 Vexx(本名・ヴィンス・オカーマン)は、ベルギー出身のマルチアーティストで、カラフルでユニークな「Doodle(落書き)」スタイルで世界的に知られており、YouTubeでのチャンネル登録者数、SNSでのフォロワー数は合 […]

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Vexx(本名・ヴィンス・オカーマン)は、ベルギー出身のマルチアーティストで、カラフルでユニークな「Doodle(落書き)」スタイルで世界的に知られており、YouTubeでのチャンネル登録者数、SNSでのフォロワー数は合わせて350万人を超える。GUCCI、PORSCHE、PUMA、Amazonなど多くの著名なブランドともパートナーシップを結んでいる。

Website/Instagram/YouTube

インタビューをお引き受けいただきありがとうございます。まずはVexxさんの自己紹介をお願いします。

いま(2022年取材時)24歳で、ベルギー出身です。16歳になったときにアーティストになるという目標に向かってより真剣にアートに取り組むようになり、Instagramで新しい絵を毎日投稿し始めたら、すぐにフォロワーが数千人に増えました。その過程でカラフルな Doodle(落書き)スタイルを発見したんですが、すごく反応がよかったんです。その後YouTubeで作品制作の様子を公開してからは、一気にキャリアが広がりました。
最近では美術館での展示や、限定版の高品質プリントの販売、ペインティング、NFT、トイアート・スカルプチャーなど、本格的なアートの世界にも足を踏み入れたところです。いまはブリュッセルに自分のアートスタジオを持っています。

16歳の時から活動し始めたとのことですが、アーティストを目指したきっかけは何だったのでしょうか。

子どものころからずっと絵を描いていて、かなり上手かったんですよ(後になって気づいたんですけどね)。14、15歳のとき漫画を描くことに興味を持ち始めて、入門書を読んだりしてました。あと、美術史にも突然興味が出てきたんです。そのころにはアーティストになりたいと思ってたんじゃないかな。親は絵を描いて食べていくなんて無理だと思ってましたけどね。でもKAWSやMusketon(どちらもベルギーのアーティスト)といったアーティストが、夢を実現させるきっかけになったんです。

コピックを使い始めたのはいつですか?またコピックを選んだ理由は何だったのでしょう?

コピックを使い始めたのは、16歳でInstagramのアカウントを作ったときです。僕の知っているプロはみんなコピックを使っているという印象があって、彼らの作品があり得ないぐらい素晴らしいんです!彼らとまったく同じツールを持っているなら、彼らと同レベルの作品を作れないなんて言い訳はできないよね、という思考プロセスに至ったんです。ツールが同じなら、そこにあるのは画力の差だけですからね。プロと同じ道具を持ってるのに自分の作品が彼らより劣るなら、もっと時間をかけて自分のテクニックを向上させるしかない、ってことですからね!

初めてコピックのセットを手に入れたのは誕生日プレゼントとして貰ったときだったんですが、超ラッキーでした!最初はコピックチャオの36色セットでした。本当に欲しかったものだったので、すごく嬉しかったです。いまでもコピックは使っていますし、全色持ってます。

好きなコピックの種類(例・スケッチ、チャオ、クラシック、ワイド、もしくはコピックインク)はなんですか?また、定期的に使っている特定の色はありますか?

いちばん気に入ってるのはもちろんコピックスケッチです!スーパーブラシニブの使い心地がとにかく素晴らしくて、とても満足しています。僕はかなりいろんな色を使ってると思いますが、グリーン系の色は全体的に使わないままになってるかな(笑)。たいていはピンクや黄色がすぐになくなっちゃうんですよね。蛍光色(Fシリーズ)も愛用していますよ!

Vexxさんの作品では、楽しくてカラフルなDoodleスタイルと、リアリスティックな画風が融合していますよね。どのようにして独自のスタイルを確立されたのでしょうか。

実は、色を使うのは全然好きじゃなかったので、最初はモノクロで描いていたんです。でもその時には、ちっちゃなキャラクターをいっぱい組み合わせて、ひとつの大きなイメージを作るというDoodleスタイルのアイデアがとても気に入ったんです。すぐにフォロワーのみんなも気に入ってくれたので、このアイデアを追求し続けました。数ヶ月たって、初めてコピックを手に入れたのをきっかけに、色を使うようになりました。

創作過程で一番好きなことはなんですか?

今ではやっぱり色を塗る過程が一番好きです。配色を決めることからスタートするんですが、まずメインになる色を5〜10色選びます。それからまだ色を塗っていない段階で作品を印刷して、どこにどの色を使うのか、隣の色との相性はどうかなどを判断していきます。同じ色が隣り合ったりすることがないようにね。

コピックを使う上でおすすめのコツやテクニックなどはありますか?

そもそもルールなんてないってことを忘れないでほしいですね。 どんな画材でも、自分にしっくりくるなら使えばいいと思います。世の中にはたくさんのチュートリアルがありますけど、画一的な方法が多すぎると思います。アートにルールはないんです。世界で最も重要なアーティストたちは、そのことを理解している人たちだと思います。そして一番大切なことは、楽しみながら創作を続けていくことです!

最近はGucciとコラボしていたことが話題になりましたが、世界的に有名なブランドのイメージと、自分のスタイルはどのように結びつけていったのでしょうか?

Gucciのブランドロゴなどのアーカイブを渡されて、「好きなように作品を作っていい」といういわばおまかせ状態でのオーダーだったのですが、「Gucciの未来を表現するような作品を」という注文がありました。その作品はGucci Vaultで1/1 NFTとして販売されています。
僕は自分の作品をあまり子どもっぽくしないで、もっとラグジュアリーな雰囲気に持っていくようにしています。実際すごくカラフルで、子どもみたいなアートではあるんですけど、僕のスタイルのアートでこの分野を探求したり、Gucciのアートワークを作るのはすごく楽しい経験でした。

NFT市場にも参入されていますが、ブロックチェーンや暗号通貨の技術を使ってデジタルアートを販売できることは、アーティストにとってどのような意味を持つと思われますか?

アーティストにとっては新たなルネッサンスだと思いますね!これまで多くのデジタルアーティストが自分の作品を適切な方法で販売することができなかったわけですから。ブロックチェーン技術によってようやくそれが可能になったわけですが、新しいアートのムーブメントにこれほど興奮したことはないです!そのムーブメントに参加できてることをとても誇りに思っていますし、自分自身で道を切り開いていって今までにない新しいものを発見しているところです。僕の「MOON」NFTはいまアムステルダムのMOCOミュージアムで中心的な存在になっています。バンクシー、KAWS、村上隆、ハースト、バスキア、キース・ヘリングなんかも展示してるんですよ。

NFTが次の大きな流れになるのは間違いないと思ってますし、日々進化していくのを見るのはすごくエキサイティングなことですよね。

最近の作品では、デジタルアニメーションにも挑戦されていますね。しかし、彩色にはいまでもコピックを使っていると聞きました。デジタルアートにも、コピックのようなアナログの画材を使い続けていただいている理由があれば教えてください。

僕は、コピックが作品に与えてくれる伝統的なタッチが好きなんです。実は、コピックのタッチ(塗ったときの粒状感、色をブレンドしたときの混ざり具合など)を再現したデジタルブラシを作ったので、デジタルでもこの手作業感を維持することができるようにもしています。

10月に2冊目のぬり絵本を出版されるそうですね。この本について教えていただけますか?

最初のぬり絵本がすごく売れたんですよ。発売から2年間で20万冊以上売れたんですけど、びっくりですよね。正直なところ、色塗りって過小評価していたところがあるんですが、いまは最高のぬり絵を作ることに注力しています。その成果は、2022年10月4日に発売される2冊目の本「Mythotopia」でご覧いただけます。「Mythotopia」は、神話や伝説上の生物を僕のスタイルで描いてるんですが、古典的なものだけじゃなくて、もちろんVexxオリジナルのドラゴンも含みます。この本の出来にはとても満足していますので、ぜひ見てみてください!

「Mythotopia」の詳細はこちらでご覧いただけます。

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Grangel Studio https://copic.jp/interview/grangel-studio/ Tue, 27 Sep 2022 05:30:53 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=21364 Grangel Studio(グランゲル・スタジオ)長編アニメーション映画のコンセプトアートやキャラクターデザインを手がける世界的デザイナーのCarlos Grangel、Jordi Grangelが立ち上げた、スペイン […]

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Grangel Studioグランゲル・スタジオ
長編アニメーション映画のコンセプトアートやキャラクターデザインを手がける世界的デザイナーのCarlos Grangel、Jordi Grangelが立ち上げた、スペインのバルセロナに拠点を置くデザインスタジオ。 『マダガスカル』『カンフー・パンダ』『コープス・ブライド』『ヒックとドラゴン』など多くの人気作品に参加している。

Instagram / Website / YouTube


インタビューをお受けいただきありがとうございます。Grangel Studioについて、簡単に紹介をお願いいたします。

Grangel Studioは、私たち兄弟で行っているデザインスタジオです。兄のカルロスと弟のジョルディ・グランジェの二人で1985年にバルセロナにスタジオを設立してから、ハイクオリティなアニメ映画のプリプロダクション(映画などの撮影に入る前に行う準備作業全体のこと)のためのコンセプトアートに携わってきました。

設立して最初の5年間はイラストやコミックの制作や広告用のレンダリング制作をしていましたが、1990年以降はアニメに注力するようになり、現在までに25本以上の長編映画に携わりました。これまで携わった作品には『バルト』『プリンス・オブ・エジプト』『エル・ドラド 黄金の都』『スピリット』『シンドバッド 7つの海の伝説』『マダガスカル』『カンフー・パンダ』『コープス・ブライド』『ヒックとドラゴン』『ホテル・トランシルバニア』『ロン 僕のポンコツ・ボット』などが挙げられます。その他の作品を含む完全版のリストにご興味のある方は、ぜひwww.grangelstudio.com をチェックしてくださいね。

世界中の人に愛されるキャラクターを次々生み出されていますが、Grangelさんがイラストを描き始めてから大切にされていることはありますか?

イラストやキャラクターを描きたいという情熱と意欲は常にあります。漫画やアニメが好きだったので、美術技法だけでなくアニメーションの技術も勉強して、その後で自分たちのやり方を確立していきました。

私たちが大切にしている3つのエッセンスがあって、それは情熱、想像力、そして規律です。Grangel Studioは、いわばスタイル、様式の研究所です。作品に最適なルックと、ストーリーに最も適したキャラクターを作りたいと考えています。

制作をするうえで、インスピレーションを受けている人やモノはなんですか?

主に古今東西のアートや、自然からインスピレーションを得ていますね。自然は常に私たちのインスピレーションの源です。自然や動物が登場する長編アニメを数多く手がけましたが、自然を観察することは抱えている問題を解決しますし、洗練されてスタイリッシュなキャラやデザインを生み出す上で重要な鍵になりました。

いま現在取り組んでいる新しいプロジェクトはありますか?

現在、ストップモーション、伝統的な2Dアニメ、そして3DのCGIと、3種類の長編作品でキャラクターデザインに取り組んでいます。あと、今年ギレルモ・デル・トロ監督の『ピノキオ』が上映されるんですが、共同でピノキオとゼペットじいさんのキャラクターデザインを担当しました。

それ以外にも、個人的なプロジェクトがいくつかありますが、現在のプロダクションに比べると、かなりゆっくりしたペースで進めています。

また、イタリアとスペインで作品の展覧会をいくつか計画しています。いつか、大好きな日本で展覧会を開催できればと思っています!

コピックに特別にご提供いただいたキャラクター「Mudskippers(マッドスキッパーズ)」についてお聞かせください。このキャラクターはどのように誕生したのでしょうか?

フレンドリーな生き物の家族のキャラクターシリーズを作りたい、と思っていたんです。そのアイデアがMudskippersに発展したのは、グラフィックとビジュアルの面で、コピックのカラーチャートを最大限に活用できそうな可能性があったからです。各キャラにはメインとなる色が設定されていて、それぞれの色が各キャラクターごとの個性を表現しています。メイン色以外にも違う色調のバージョンがあって、コピックのチャートから1キャラあたり平均4~6色は使っていることになりますね。
Mudskippers関連のデザインはすべてコピックに寄贈させていただきました。世界中のアーティストにインスピレーションを与えるために、私たちのキャラクターを活用していただければと思います!

素敵なキャラクターたちを寄贈していただけて光栄です!コピックを長く愛用してくださっていますが、コピックを使い始めたのはいつからですか?

私たちのスタジオでコピックを使い始めたのはずいぶん前、記憶が正しければ1993年ごろです。
監督やプロデューサーも、その繊細で美しい色彩と、豊富なカラーバリエーションが使いやすいと気に入ってくれました。また、コピックの色が増えていったことで、それぞれのキャラクターに適した色選びの可能性が広がりました。例えば、コピックは人間の肌色を表現するのにとても適しています。私たちにとっては、これがコピックが他のどのブランドよりも優れていると思うポイントで、キャラクターの彩色にとても役立っています。また、グリーン、イエロー、ブルー、ブラウンなどの色も豊富に揃っていて、背景のデザインに役立っています。

コピックは高品質の製品を作っていますが、私たちもそういう姿勢で仕事していきたいと思っているので、私たちにとって完璧な組み合わせですね。

色の幅の豊富さをお褒めいただきありがとうございます。もし、特にお気に入りのコピックの色があれば教えてください。

好きな色はたくさんあります。いくつか挙げるのは難しいのですが、グレー系で色調を決めたり陰影をつけていくときは、クールグレーとウォームグレーを好んで使っています。また、キャラクターの白目の部分にボリュームを持たせるときにナチュラルグレーのN-1を愛用しています。

他には、E18 Copper、E29 Burnt Umber、E81 Ivory、YG11 Mignonette、R00 Pinkish White、YR01 Peach Puff、B97 Night Blue、B99 Agate、G99 Olive、RV000 Pale Purpleなどがお気に入りです。

コピックで作画するときのポイントやテクニックがあれば、ぜひ教えてください。

もちろん!いくつかありますが、まず薄い色から始めて、その上から濃い色を重ねていくのが基本のコツですね。キャラクター一人あたりで平均4〜7色の色を使用しますが、肌の色はh異なる4色で4回ほど重ね塗りすることでボリューム感を出し、キャラクターをより生き生きとさせます。キャラの服も同様に、1着につき4~7色を使って着色しています。
キャラクターの陰影を描くときはグレーを使うことが多いです。クールグレーのC-2や、ウォームグレーのW-2がすごくちょうどいいんです。

彩色する範囲が大きい場合は、コピックインクを使用します。背景に空が広がっているときや、ジャングルのように緑の部分が多いときは、インクをスポンジにつけて使ったり、コピックワイドを使います。空の種類によって、3~4種類のブルーを使い分けていますよ。

スケッチするときは、コピックマルチライナーを愛用しています。キャラクターの輪郭を描くのに最適なんです。目の黒い部分(瞳孔)には、マルチライナーのブラックで線幅が0.03mm、0.2mm、0.5mmのものを使っています。

とても熱い回答をありがとうございます!Grangel Studioこれからの展望や目標についてお聞かせください。

私たちは本当に仕事を楽しんでいます。世界中の異なる文化圏の新しいアーティストと仕事するのも楽しみだし、より多くの経験を積んで、Mudskippersのようなオリジナルな作品を生み出していきたいですね。また、私たちが得た経験や遺産を、熱心な新しい世代に教え、引継いでいければいいなと思っています。

この記事を読んでくださっている方に、伝えたいメッセージやアドバイスなどあれば一言お願いします。

クリエイティブになろう!自分の手を使って、必要なら指を汚すことも厭わないで。情熱を持ち続けて、楽しみましょう!

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Francesco Lo Iacono https://copic.jp/interview/design/francesco-lo-iacono/ Wed, 16 Mar 2022 06:37:12 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=18053 Francesco Lo Iacono(フランチェスコ・ロ・ラコーノ) イタリア出身のイラストレーター。パレルモから英ロンドンに渡ったのち、現在はフランスを拠点に活動。普段は主に自宅スタジオで作業を行っており、ファッショ […]

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Francesco Lo Iacono(フランチェスコ・ロ・ラコーノ)

イタリア出身のイラストレーター。パレルモから英ロンドンに渡ったのち、現在はフランスを拠点に活動。普段は主に自宅スタジオで作業を行っており、ファッションウィークのショーでは、ライブドローイングで卓越したイラストテクニックを披露している。ファッションデザイナー、ファッション誌、高級デパートなどの幅広いクライアントと仕事をするかたわら、2021年には初の著書「Watercolor Fashion Illustration」(David & Charles社)を出版。コピックと水彩を見事に融合させて、素晴らしい作品を生み出し続けている。
website: Lipstick Of London

フランチェスコさんの経歴について教えてください。
生まれ育ったのはイタリアで、イタリアの美術学校を卒業し、卒業後はパリにしばらく住んでいました。パリではトレンド予測の仕事をしてたんですが、ファッションイラストに興味を持ち始めて、これをフルタイムの仕事にしようと決め、現在の仕事に繋がっています。

ファッションイラストは、自分が興味あることすべてを
探求するための完璧かつ自然なプラットフォーム


絵を描くことにはじめて興味を持ったのはいつからですか?
多くのクリエイターの方もそうだと思うんですけど、私も物心ついたときから絵を描いてましたね。子どものころは教科書の余白を落書きで埋め尽くしていました。10代になって美術学校に通うことにしたんですが、やっぱりその間に絵を描くことに対するモチベーションがより大きくなものに変わったんだと思います。

いまはファッションイラストレーターとしてほかのクリエイターやアートディレクターのチームと一緒にプロジェクトにチャレンジするのを楽しんでいますし、クライアントの抱いているビジョンやニーズを満たすことに達成感を得ています。

なぜファッションイラストを描くことを選んだのでしょうか?この世界に飛び込んだきっかけを教えてください。
ファッションに興味を持ったのはけっこう遅かったんですよ。ファッションに興味を持ち始めたのは最終学年の終わりごろになってからで、それも写真を通じてのことでした。雑誌に載っているファッション特集がまるで夢みたいですごく好きで、それが大きなインスピレーションになっていますね。そのことがファッションイラストの道に進もうとしていた私の背中を押してくれた、って言えるかもしれません。ファッションイラストは、私が興味あることすべてを探求するための、完璧かつ自然なプラットフォームだったわけです。それはいまでも変わってないですね。

私がコピックからインスピレーションを受けているように、
私のイラストから誰かがインスピレーションを得てくれたらうれしい

テクニックはどうやって習得してきましたか?
とにかく練習すること、絵を描くことが重要ですね。私のスタイル自体はずっと一貫してるんですが、ちょっとずつ進化もしています。過去に描いたイラストを見ると自分の成長を実感できますし、これからどうなっていくのか楽しみでもありますね。

コピックと水彩絵の具をうまく併用されていますよね。どのように組み合わせて使われているのでしょうか?
愛用しているのはコピックチャオです。コピックチャオは全180色で色が豊富だし、とても繊細に描けるので、私の作品にはぴったりだと思います。そして水彩と完璧に組み合わせて使うことができます。基本的には、まず水彩で最初のレイヤーを作ります。水彩が乾いたらコピックチャオでアクセントをつけたり、ディテールを加えたりします。イベントやファッションショーなどライブで描くときには、コピックが活躍します。水彩は乾くのを待たないといけないですが、ライブの場合はもちろん時間が限られていますから。
コピックを使うことで、イラストの細部の表現が格段に良くなったと思います。レイヤーを重ねることで、より洗練された仕上がりになるようコントロールできるようになりました。

コピックを使い始めたのはいつからですか?コピックを選んだ理由や、はじめて使ったときの第一印象もお聞かせください。
水彩のみしか使っていなかったので、自分のスタイルを進化させたいと思ったころに使い始めました。
使ったことのない画材を取り入れることは、常に創作活動を後押ししてくれて、新しい刺激的な方向へと導いてくれます。私が最初に驚いたのは、コピックチャオのスーパーブラシニブの特徴的な柔らかさでした。水彩ともうまく調和して、同じような結果をすばやく得ることができます。前述したように、ライブで描くときにはコピックをよく使います。

初の著書が出版されたとのことですが、制作のお聞かせください。
2022年に、「Watercolor Fashion Illustration」を出版しました。この本は、水彩画でファッションや人物を描くためのガイドブックで、私が実践していることや仕事のやり方を、率直に、最も実用的な方法でまとめています。私からのアドバイスや役立つヒントをたくさん公開しています。制作には何か月もかかったんですが、ファッションイラストに関する本当の意味で最も有益な本にしようと、ベストを尽くしました。

ファッションの世界にもアプローチして、プロならではアイデアや具体的なアドバイスを提供する、とても多機能な本だと思います。私が使っている画材の紹介や、人体、とりわけ顔とそのパーツにフォーカスした画法や、ファブリックやプリントされた柄をどう表現するか解説している章もあります。

最後に、世界中のコピックユーザーに向けてメッセージをお願いします。
コピックには素晴らしいファンコミュニティがあり、このインタビューを通じて私の作品を皆さんに知っていただけることが何よりうれしいです。日々私がコピックからインスピレーションを受けているように、私のイラストから誰かがインスピレーションを得てくれたらうれしいですね!

投稿 Francesco Lo Iaconoコピック公式サイト に最初に表示されました。

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Eris Tran https://copic.jp/interview/design/eris-tran/ Wed, 13 Oct 2021 04:32:28 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=14349 Eris Tran Facebook/Instagram エリス・トランはベトナムを拠点とするフリーのファッションイラストレーターで、インスタグラムでは23万ものフォロワー数を集めています。彼の作品では、スケッチの高い技 […]

投稿 Eris Tranコピック公式サイト に最初に表示されました。

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Eris Tran

Facebook/Instagram

エリス・トランはベトナムを拠点とするフリーのファッションイラストレーターで、インスタグラムでは23万ものフォロワー数を集めています。彼の作品では、スケッチの高い技術、アーティスティックな発想、多彩で豊かな色使い、リアルにレンダリングされた素材の質感、計算された重ね塗りなど、コンセプチュアルなイラストを創作するための幅広い能力が見事に発揮されています。エリスの作品は、Elle、L'Officiel、Basic Magazine、Harper's Bazaar、Wow VietNam、Alchemist Magazineなどのメディアで取り上げられ、注目を集めています。また、Dior、Versace、Burberry、BVLGARI、Alberta Ferretti、Ralph & Russo、Iris Van Herpenなどの一流ファッション企業とイラストでのコラボレーションを行っています。

あなたの経歴やキャリアについて、少し教えてください。
学校ではマーケティングを専攻していました。講義以外では絵を描くことに時間を多くの費やし、特にファッションドローイングを熱心に描いていました。その後、これこそが真に情熱を燃やせる仕事だと気付き、生涯のキャリアとしてこの道を歩むことを決意しました。もう7年以上この分野に携わっています。

もともとはマーケティングの勉強をしていたのですね。
そうなんです。私は大学でマーケティングを4年間学び、卒業しました。しかし、在学中も卒業後も絵を描き続け、ファッションやイラストの分野でキャリアを積んできました。ファッションの学校に通ったことはなかったので、インターネットで世界中のイラストレーターから絵を学びました。
2年生になってからは、学ぶだけではなく、リサーチにも時間を割くようになりました。そして、どうすればもっとうまく描けるかを真剣に考えたのです。それが私の転機となりました。

マーケティングからファッションイラストへとキャリアを変えたとのことですが、なぜ、ファッションの分野に惹かれたのでしょうか?
大学でマーケティングを学ぶ過程で、ファッションについて調べていたのですが、有名ブランドごとにデザインやディテールが異なることにとても興味を持ち、好奇心を掻き立てられました。また、弟の結婚が決まったときには、義理の妹に着せるドレスを選ぶために、いろいろなお店を調べました。それはとても刺激的なことでした。ウエディングドレスに使われている素材、特にシルクを気に入ったのです。おそらくそれが、私がファッションイラストを描くようになったきっかけだと思います。

インスタグラムを拝見すると、ディオール、ヴェルサーチ、バーバリーなど、有名ブランドとお仕事をされていますね。ファッションイラストで経験を積むとなると10年、20年かかると思っていましたが、あなたがわずか7年でここまで有名になったのは驚きです。どうやって多くの機会を得ることができたのでしょうか?
ベトナム人にとってファッションイラストはとても新しいものなのです。ベトナムはファッションイラストの分野ではまだ発展途上の市場です。幸いなことに、私はこの分野を知って、研究とトレーニングを重ねて、絵の技術を向上させることができました。
世界中の有名ブランドがベトナムにやってきたのもそのためで、彼らはトップのファッションイラストレーターを探していたのです。私は彼らにポートフォリオを送りました。ベトナムにもファッションイラストレーターは何人かいるのですが、幸いなことに、担当者がパリなどのヨーロッパの本社にポートフォリオを送ったところ、私をベトナムのファッションイラストレーターの中でもトップレベルだと評価してくれました。それから、イベントに招待されるようになり、多くのマーケティングイベントをサポートしました。その当時、唯一認められたベトナム人のファッションイラストレーターになれたわけですから、とても嬉しかったです。ファッションデザインやファッションイラストを学ぶ私の生徒たちにとってもそれは同様だったでしょう。

学校でファッションデザインを教え始めたのはいつですか?ベトナムに自分の学校を持っているのですか?
自分の学校を運営しているわけではなく、ファッション系の専門学校で教えています。それ以外にも、パーソナルトレーニングのような形で外部の生徒にオフラインやオンラインの両方で教えています。

多くの学校で教えているのですか、それとも1つの学校だけですか?
3年前からファッション専門学校でデッサンを教えています。今もその学校で教えています。私が教鞭をとっている学校は一つだけです。

教えることになったきっかけは何ですか?
一人で長い時間をかけて調査し、研究し、描いていたので、もう本当に燃え尽きたと感じてしまったのです。そこで、学生に教えることにしました。というのも、長い間現場で自分の視点だけで研究を続けることに無理が生じてきたからです。つい主観的な見方に偏ってしまうこともありました。
しかし学生に教えることで、つまりいろんな人たちとコミュニケーションをとって交流することで、彼らが異なる視点を持っているのを実感できました。これによって参考にできるさまざまな情報源があるのを再認識できましたし、インスピレーションを得ることもできました。

教えていたときの印象的なエピソードはありますか?
私にとって、教員生活で最も思い出深いのは、教育実習を行ったときです。学校での実習を終えたとき、生徒たちから大きなプレゼントをもらいました。地元の果物やベトナムの魚醤など、私にとってとても特別なものをくれたのです。彼らの愛と配慮を感じました。受け取ったプレゼントの一つ一つに、人間の思いやりと共有を感じました。だからこそ、私は教えることを楽しんでいるのです。

様々な世界的に有名なブランドからErisさんにオファーがあったわけですが、ご自身の強みはどういうところだと思われますか?
実のところ、それは非常に難しい質問です。なぜなら、それはブランドが決定することであり、選んだ理由を彼らが教えてくれることはないからです。私の場合、ファッションイラストレーターとして、できる限りすべてのドローイングやスケッチに多くの努力と情熱を注いでいるつもりです。そのため、ドレスの素材や生地、細部に至るまでこだわります。それがブランドの要求にマッチし、課題を解決することができるのだと思います。そのおかげで、ブランドの方々の目にとまることができました。もしこの質問に答えるとしたら、私の仕事がブランドの要求にマッチしていたからだと思います。

はじめてコピックを使ったときの感想をお聞かせください。
コピックマーカーを使い始めたのは、大学3年生の時でした。まず、市場にどのようなマーカーがあるのかを知りたいと思いました。当時、コピックの存在を全く知らず、ファッションデザインの現場で使われている有名なマーカーをインスタグラムで調べてみました。すると、数あるブランドの中からコピックが多く使われていることに気づきました。当時、ベトナムにはコピックを販売しているお店が1つしかなく、色の種類も限られていたので、あまり使われていませんでした。そのため、コピックと他のブランドのマーカーを併用しなければなりませんでしたが、比較すると、コピックの色合いがとても生き生きとしていて、とても鮮やかで、本物の素材感があるなど、他のブランドとの違いを感じることができました。ドレスを描くと、ただの紙とインクではなく、まるで本物の銀のように感じられました。またコピックのパステル調の色合いもとても気に入りました。しかし、当時大学3年生だったので、コピック全色をコレクションするような余裕はなく、コピックを他ブランドのマーカーと一緒に使っていました。

コピックと他のブランドとの一番の違いは何ですか?また今ベトナムでコピックは買えるようになったのでしょうか?
コピックが他のマーカーブランドより優れている点が2つあります。第一に、マーカーの形状がとても扱いやすいことがあります。コピックを使って、絵を描いたり、スケッチをしたりすると、とてもスムーズにマーカーを動かすことができます。コピックを使っていると「気持ちいい」という感覚を得られるのです。
2つ目のポイントは、スーパーブラシのペン先です。これは本当に柔らかくて、スケッチもスムーズにできます。
今では2~3のショップがコピック製品を販売しています。色数も増え、コレクションも充実しています。しかし、私たちの期待に反して、まだまだコピックの数は少ないのが現状です。ファッションイラストでは、アーティストはさまざまな色調を使用しなければなりませんが、まだまだ不足しています。海外から直接買えるようになればいいのですが…。もちろん、以前よりもコピックを手にする機会は格段に増えています。今後、コピックをより購入しやすくなることを期待しています。

なぜ、メインの画材としてコピックマーカーを選んだのですか?
実は水彩も使っています。しかし水彩の場合、最初にたくさんのものを準備し、水を使い、混色する必要があり、時間がかかります。一方、マーカーはいつでも使用できるので、ずっと便利です。
第二に、水彩をどこにでも持ち込むわけにはいきません。 たとえば、特別な要望がない限りイベントに水彩絵の具を持参することはしません。コピックマーカーの場合は準備に時間もかからないし、インクが乾くのも早いので理想的な画材です。

一番好きなコピックの色は何ですか?
特に好きな色合いは2つあります。ブルー系の色合いと、パステル系の色合いです。というのも、ファッションイラストを描くときには、非常に透明度の高いシルクから肌が透けて見えるようなシースルー効果を出す必要があるのです。通常の場合は、同様の効果を出すために多くの色を選択する必要がありますが、コピックのパステル系の色を使用することにより、素早く簡単にこのような表現をすることができます。

デジタルで作品を作ることもあるのでしょうか?
iPadとデジタルペンを使ってデジタルで描くこともあります。でも、本物のファッションイラストレーターになるために、そして自分の感情やインスピレーションを最大限に引き出すために、コピックマーカーを使い続けています。

最後に世界中のコピックファンへのメッセージをお願いいたします。
みなさん、こんにちは。エリスです。コピックが大好きで、ファッションイラストの仕事でよく使っています。 コピックの品質は私たちに多くのことをもたらしてくれます。人々がコピック製品を楽しんで使い続けてくれることを願っています。 またこのパンデミックでも、誰もが安全に、健康でいてほしいと思います。

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Clau Cicala https://copic.jp/interview/clau-cicala/ Wed, 14 Apr 2021 01:14:12 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=10921 Clau Cicala(クラウ シカーラ)ブラジル、サンパウロ生まれ。大学で広告とマーケティングを専攻し、大学院でプリントデザインを学んだことをきっかけに、彼女ならではのユニークなスタイルを活かしてパタンナー、ファッショ […]

投稿 Clau Cicalaコピック公式サイト に最初に表示されました。

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Clau Cicala(クラウ シカーラ)
ブラジル、サンパウロ生まれ。大学で広告とマーケティングを専攻し、大学院でプリントデザインを学んだことをきっかけに、彼女ならではのユニークなスタイルを活かしてパタンナー、ファッションデザイナーとしてキャリアを積む。
現在はブラジル国内外の学生などを対象に、クリエイターが起業し活躍していくためのノウハウなどを指導し、クリエイターを起業家にすることを目指し精力的に活動している。
Instagram / Youtube

ーこれまでの経歴を教えてください
14歳の時に、叔父から地元の雑誌の仕事を手伝うように頼まれて、誌面のデザインや広告のレイアウトなどを担当するようになりました。4年間働いたのですが、これがデザインの仕事に関わるようになったきっかけです。その後、ソニー株式会社でグラフィックデザイナーとしてパッケージやフォルダーなどを制作する業務を担当し、その後は出版社で美容雑誌のデザイナーとして働きました。

ーパターンデザイナーとしてはいつから活動されているのですか?
結婚したタイミングでリオデジャネイロという素晴らしい街に引っ越した時、偶然パターンデザインの世界と出会いました。それにすごく興味を惹かれ、プリントデザインを学べる大学院へ進んだんです。課程を修了してからは、これまでのキャリアも活かしてクリエイティブスタジオを立ち上げることにしました。
スタジオでは、FARM、Blue Man、C&A、Karsten、Grendhaなど多くのブランドとコラボレーションする機会に恵まれました。

ークリエイターを起業家に成長させる活動も精力的に行っていると聞きました。
デザイナーとしてキャリアを積んでから時間が経つにつれ、これまで自分がプリントデザインなどについて学んだことを他者に教えることに興味を持ち始めました。そこで、私の経験や知識を他のデザイナーや学生に共有してために、デザイナーが起業家になるのを支援することを目指し、5年間かけてブラジルのいくつかの州を訪れ "BRASILIDADE ESTAMPADA"という活動を始めました。
幸いなことに、私の名前はブラジルでよく知られていたので、靴、衣料品、自動車、美容アクセサリーなどのブランドとパートナーシップを結ぶこともできました。
プリントデザイナーがプロとしての地位を確立するためには、自分の個性を示すユニークなスタイルが必要だと考えています。 それは自分の本質、自分のアイデンティティを示しています。
自分自身を知り、内面を見て、夢や目標を知らなければ、誰も独創的でユニークなものを作り、それを世界に示す勇気を持つことができるとは考えられません。

ーClauさんはこれまで多くの有名なファッションブランドとコラボレーションされてきましたが、 これまでで最も印象的な経験はありますか?
ブランドとの仕事はすべて特別な経験です。 パターンデザイン、プリントの制作においてどれも非常に勉強になりました。
あえて選ぶとしたら、Sandália IpanemaとGlamboxというブランドとのコラボレーションは私にとって特に大切な思い出です。
Sandália Ipanemaの仕事では、自分の手描きのスタイルをサンダルのデザインに反映させるという課題と、限られた色数しか使用できないという制限があったため、手描きのスタイルを守りながら、求められるものを作り出すために試行錯誤しました。
Glamboxのデザインの仕事では、色の制限がなかったので自分の創造性を最大限に引き出し、自分の創造性を伝えるイラストを作成することができました。 すべてのデザインをコピックで描いたんです。

Clauさんが手がけたイラストレーションが生地に使用されて作られたファッションコラボの一例。

ーとても華やかでパワフルなデザインですが、Clauさんのデザインに影響を与えているものはありますか?
私に最もインスピレーションを与えるのは自然です。花、葉、動物など、様々なものからアイデアをもらっています。

ーデザイナーと起業家、両方をこなしていくためのモチベーションはどこにありますか?
一番のモチベーションは、その仕事が好きであること、そして自分の表現したいものを色々な手段で伝えたいということです。ブラジルでは評価されにくいこともあり、デザイナーの自尊心が低いことが多いのですが、私はデザイナーとして経済的に自立できるということを多くの人に示したかったんです。
また、Clau Cicalaスタジオで確立した独自のプロセスとサービスによって、ほとんどの私たちのデザインワークはクライアントに大きな修正なく承認されています。このような経験によって、プリントデザイナーとしての成功への明確な方法を他のデザイナーにも示すことができるようになりました。

ーClauさんはデザインを制作する時にコピックを使用されていますが、コピックを使い始めたきっかけや使い続けている理由を教えてください。
コピックというブランドを知った瞬間から、虜になってしまいました。
ブラジルのオフィシャルブランドのウェブサイトでキットを購入したのが初めてコピックを手にした時です。
コピックのマーカーを使用してイラストを制作すると、自信と気に入った作品に仕上がりました。 他のマーカーも試しましたが、どれもコピックのような信じられないほどの色の範囲、発色の良さ、そして混色のしやすさがありませんでした。インクが補充できるという点もとても気に入っています。紙に描く場合は、コピックが最高のツールだと思います。今まで使った中で断然最高のツールです!

ー評価していただきありがとうございます。特に好きな色や使いやすい色はありますか?
たくさん好きな色があって選ぶのが難しいのですが……私のお気に入りはY15 / V09 / V06とRV29 / RV25 / RV69です。

ーこれからClauさんがチャレンジしてみたい事は何ですか?
今後の最大の課題は、世界中でBrasilidade Estampada Workshopを開催することと、国際的なブランドとのパートナーシップ取引や製品のライセンス供与を行うことです。コピックのスタッフの皆さん、インタビューの機会をありがとうございました!

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Design Burger https://copic.jp/interview/design-burger/ Wed, 17 Mar 2021 03:07:17 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=10773 Design Burger 世界中のデザイナーや学生によるインダストリアルデザインを紹介しているプラットフォーム。ロンドン在住のJoe Slatter、Oscar Pearce、Alex Philpott、Kester […]

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Design Burger

Design Burger

世界中のデザイナーや学生によるインダストリアルデザインを紹介しているプラットフォーム。ロンドン在住のJoe Slatter、Oscar Pearce、Alex Philpott、Kester Pageからなる4名のチームが企画・運営しており、活動は主にInstagramで展開され、アカウントのフォロワーは13万人を超える(2021年3月現在) www.instagram.com/design_burger/

— Design Burgerの活動内容について教えてください。

私たちは、すべてのデザイナーにインスピレーションを与えられることを目的に、作り手がプロデザイナーか学生かというにはこだわらず自分たちが優れていると感じた世界中のデザインプロジェクトをインスタグラムで紹介しています。

Design Burger

— どのような経緯で始められたのですか?

才能あふれる素晴らしいインダストリアルデザインを収集し、よりその価値を伝えたいと思ってスタートしました。このDesign Burgerというプラットフォームでは、世界中のデザイナーが素晴らしい作品を作り続けられるよう、常に刺激的で新しいコンテンツを共有したいと思っています。

— 昨年、デザインバーガーのフォロワーは10万人を超えました。その感謝記念としてコピックとのコラボ企画を提案していただきましたが、フォロワーの反応はいかがでしたか?

フォロワー10万人突破記念キャンペーンでは、私たちの活動を支えてくれるコミュニティに対して感謝を示したいと考え、コピックに協力してもらい5つのコピック賞を設けました。フォロワーの皆さんはとても喜んでくれたと思います!

Design Burger

— 一般的に、デザイナーはどうやって製品を開発しているのでしょうか。工業デザインの工程について教えてください。

私たちは、インダストリアルデザイナーとしてあらゆる形、サイズ、素材のデザインプロジェクトを紹介しています。プロジェクトは、プロセスの核となる基本方針を置いて、それぞれ少しずつ異なる方法で実行されます。 通常、デザインのプロセスはデザインで解決するべき課題を理解し、リサーチを進めていくうちにその問題の本質に到達するところから始まります。その上で、アイデアスケッチをしたり模型を作ることでコンセプトを固めていき、ユーザーによるテスト、CADでのデザイン、プロトタイプ、使用イメージの作成を経て、実際に製品を生産するための最終的なデザインをまとめます。

— Design Burgerには様々な電化製品や家具のデザインが投稿されていて、その多くが人間工学に基づき、現代的で確固としたコンセプトを持っています。インダストリアルデザインにおいて、重要な点は何でしょうか?

昨今において、デザイナーが直面する最も重要な問題は、生み出した製品が長期にわたって評価されるかという点です。なぜならそれが最も難しいことだからです。それでも彼らは、自分のデザインした製品が人々に愛着を持たれ、世代を超えて長きに渡り使われるよう、日々デザインの挑戦をしています。

— デザインの現場では、デジタルツールやソフトウェアを使うことが一般的になりました。そうしたなかで、旧来的なアナログツールは、どのように使われているのでしょうか?

実は、デザイナーが一番時間を割いているのは、「素材を理解する」過程だと思っています。アナログ画材は、そのプロセスの中で、商品のスケールや重さ、使用想定を、立体的に、そして即座に把握するために重要な役割を持っていると考えています。

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— コピックは1987年の誕生以来あらゆるジャンルのデザイナーに使っていただいています。その理由は何だと思いますか?

デザイナーの生業は、日々スケッチをすることです。その意味でコピックは、デザイナーにとって本当になくてはならないツールです。コピックがあれば、思いついた時にすぐアイデアを書き留めることもできますし、その場でスケッチを描いてクライアントに見せることもできます。コピックの品質の高さと信頼が、多くのデザイナーに愛されてやまない理由ではないでしょうか。

— 長く使用できる、環境に配慮したものづくりが重要視されているなか、現代のデザインの現場ではサスティナビリティについてどのように考えられていますか?

サスティナビリティはとりわけ重要なトピックになっています。デザイナーは、自分たちが作りだす全ての製品に対して責任を負っており、そういった製品が本当に人々に必要とされているのか、最初によく考える必要があります。そして素材がどこからもたらされ、どのような製造プロセスを経てユーザーに渡り、その製品が使用期限を終えた後どうなるのか、製品のライフサイクルについても慎重に考える必要があります。

— 今後予定されているプロジェクト『デザイン・ダイアログ』について教えてください。

デザイン・ダイアログは、著名デザイナーとのインタビュー形式の対話を通して、世界中のデザイナーと学生に向け、新たなインスピレーションと洞察を与えることを目的としています。インタビューでは、そのデザイナーの最新のプロジェクトや、過去にデザインされた製品に対しての当時の意図、デザイン以外の日常生活に関する質問などについて尋ねます。インタビュー方法としては、デザイナーには質問表と一緒にマルチライナーを送り、簡単なスケッチやイラストでも回答してもらう予定です。

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— 最後に、デザイナーとデザインを学ぶ学生の方にメッセージをお願いします。

限界を突き破って進んでいきましょう!

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坂本真由美 https://copic.jp/interview/sakamoto/ Tue, 03 Mar 2020 06:11:04 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=5370 坂本真由美 神奈川県出身。学校法人文化学園文化服装学院卒業、2009年から同学院で専任講師としてファッションデザイン画の講義を担当。コピックを使用したファッション素材表現を得意とする。 — ファッションデザイン画を教える […]

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坂本真由美 坂本真由美 神奈川県出身。学校法人文化学園文化服装学院卒業、2009年から同学院で専任講師としてファッションデザイン画の講義を担当。コピックを使用したファッション素材表現を得意とする。

— ファッションデザイン画を教える仕事をしたいと思ったきっかけを教えてください。

坂本真由美さん(以下敬称略):服をデザインしながら人物と服との空間を描く事は、パズルのようでとても楽しいです。ファッションを形作る丈やゆとり・カラーなどのバランスがとれたなと感じた時、パズルが完成したような嬉しさがあります。それを教えたり、感性豊かな学生さん達と伸ばし合えたらもっと発展できるのではないかと思い、今に至ります。

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— 現在教員として働かれている文化服装学院が出身校でもあると伺いました。学生の頃は学校でどのようなことを学びましたか。また、今のお仕事に活かされていることを教えてください。

坂本:学生の頃は毎日初めて知ることしかないくらい、新鮮な日々でした。入学前まで服を作った事があるわけでもファッションに詳しいわけでもなかったので、針の持ち方から生地の名前、歴史、色彩、デザイナー、ビジネス、芸術など多くのことを学びました。学校で学んだことは数え切れません。 学生同士で刺激を受け合う事も多かったです。服ができたときは嬉しいものですが出来上がるまでは苦悩がつきものです。そんなときは学生同士で助け合ったり教えあったりして、1人では完成しないものづくりの精神を体得したような気がします。その時の「いいものを作ろう」という精神が今の仕事に活かされていると思います。

—ファッションイラストとファッションデザイン画の違いは何なのでしょうか?

坂本:ファッションイラストは服のテーマやイメージを中心とした表現方法で、服の詳細よりファッション性や構図などが重視されます。具体的にはファッション雑誌のおしゃれな挿絵などです。 ファッションデザイン画は服をデザインするデザイナーが描くもので、ファッション性だけでなく、ディテールのこだわりや素材の質感が一目でわかるようなバランスが重要です。デザイナーは自分の表現したいことをデザイン画で表現し、パタンナー等とそれを共有します。最終的に世に出回るのは服ですのであまり日の目を見る事はありません。しかしデザイナー職の就職活動や企画やパタンナーとの信頼関係を築く上でとても重要な意味があります。

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— 坂本さんが描かれるファッションデザイン画はどこからヒントを得ているのですか?

坂本:課題の標本やファッションデザイン画などを描くときには、まずトレンド情報サイトや好きな本を開きます。その時の自分に引っかかったキーワードや資料をピックアップして、ラフスケッチからイメージを固めていくという具合です。今まで見た映画やアート、旅先での経験や日常的に感じている事などもヒントになることがあります。

— コピックの使い方はどのように学ばれたのでしょうか。

坂本:基礎的な使い方は学生の時に授業で習いました。応用的なテクニックに関しては、就職してから色々なデザイン画の先生や本などから学びました。コピックは紙へのインクのにじみ具合に仕上がりが左右されるので、にじむ範囲を想定しながら描くこと、そして手首のストロークが大切です。コピック以外の画材の特徴を知ることも、性質を活かした塗り方や効率的な材質表現の発見に繋がります。

— コピックの他にはどのような画材を使用されていますか?

坂本:水彩、色鉛筆、パステルをよく使います。コピックもそうですが、水彩やパステルは彩色した後でも色鉛筆で質感を強調することができるのでよく使用しています。広い面にコントラストをつけて彩色したい時は水彩を、広い面を均一に、またはグラデーションをつけて彩色したい時はパステルを使います。

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— ファッションデザイン画を教えるときに、特に重要なこととして伝えていることはありますか。

坂本:服をよく見よう、と伝えています。ファッションデザイン画は、チームで服を作り上げ完成へ向かって進む道を共有するための地図のようなものです。作りたい服が柔らかい素材のはずが硬く見えたり、構造上厚くなる部分のはずが紙のように薄く見えてしまう描き方では方向性がぼやけてしまいます。普段から服の形や素材の厚み、構造がどう見えるかを認識しておくことを大切にして欲しいと思います。

— これからファッションデザインを学びたいと考えている学生たちに向けて、メッセージをお願いします。

坂本:色々な学生さんと関わってきましたが、一歩を踏み出せば、自然と道は開けていってボンヤリと見えていた目標が少しずつピントが合っていって、未来へ繋がっていくのだと思います。自分の興味や好奇心を大切に、まずは自分を信じて一歩ずつ進んでいって欲しいと思います。

ファッションデザイン画のメイキング動画を公開中

ニット素材の描き方

チェック柄の描き方

シースルー素材の描き方

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動画で使用されているデザイン画の線画はこちらからダウンロードが可能です。

投稿 坂本真由美コピック公式サイト に最初に表示されました。

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山下敏男 https://copic.jp/interview/yamashitatoshio/ Tue, 08 Oct 2019 02:46:49 +0000 https://copic.jp/?post_type=interview&p=5229 山下敏男 カーデザイナー。 INTERROBANG DESIGN株式会社 代表取締役。
高校を卒業後 日産自動車株式会社にデザイナーとして入社、代表作にフェアレディーZ Z32を手がける。現在はCar Design Ac […]

投稿 山下敏男コピック公式サイト に最初に表示されました。

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山下敏男
山下敏男 カーデザイナー。 INTERROBANG DESIGN株式会社 代表取締役。
高校を卒業後 日産自動車株式会社にデザイナーとして入社、代表作にフェアレディーZ Z32を手がける。現在はCar Design Academy、首都大学東京、女子美術大学において講師を、また電気自動車普及会APEVにおいて理事を務め 未来のデザイナーたちへ指導を行っている。 山下敏男公式YouTubeアカウント『ABOUT CAR DESIGN』にて、カーデザインの素晴らしさを伝える活動をスタート。コピックを使ったデザインについて今後発信を予定。 Youtube

— 長くコピックをお使いいただいているということで、本日はインタビューをお受けいただきありがとうございます。コピックを使い始めたきっかけを教えてください。

日産デザインに入社するまで使用したことがなかったのですが、カーデザインをするにあたって自然と使用するようになりました。

— コピックの良さはどこですか?

アルコールマーカーならではのにじみ感と色あいはもちろん、コピックの良さは偶然できる線や重なりにあると思います。わざと余白を残したり、実際に手で描くからこそできることだと思います。デジタル作画だと偶然ではなく作為的なものになりますが、人間の手で描くことって、偶然ができるのでいいですよね。それが良いアクセントになったり、"ハッピーアクシデント"が生まれると考えています。

— 山下先生はコピッククラシックのブロードニブをよく使われますね。

少しいい加減といいますか、ファジーな線が描けるので好きです。ブロードを使っている理由はそこかもしれないです。細い方(ファインニブ)だと神経を使って細かくデザインを作ることになるので苦手です。ですのでブロードだけで大胆に描いて、微調整は色鉛筆などで行います。

Z32

数々の賞を受賞した、代表作のフェアレディー Z32

— 今まで数多くのデザインをされてきましたが、カーデザインのヒントはどこから得るのですか。

一概に言いにくいのですが、デザイントレンドは重要だと思います。クルマに限らず、家電、建築、ファッションなど様々なトレンドです。次に、シンプル/オリジナリティ/先進性など、先人の残したキーワード。あとは、コミックやムービーなどから得ることもあります。

— カーデザインの作画において大切にされているポイントはありますか?

私の場合、カーデザインは線の一本一本がとても重要だと思っています。そのため、常に勢いのある線を描く様に心がけています。時には座らずに立ってスケッチする事も、現役時代はありました。立って描くのは、全体を見渡しながら大きく線を書くことができ、フォルムをしっかり確認できると言う利点があります。そして、ディティールから始めるのではなく、フォルム(塊)を創り出すことから始める様にしています。私はフォルムの新しさが次の世界観を創り出すのだと信じています。

速くみえるデザイン

山下先生が大学の授業でまず初めに教えるのは、ものの形の捉え方、質感の表現。そして「速く見える(スピード感がある)デザイン」も描いて学ばせるそう。

— ガラスの光沢感や、車体の重厚感の表現方法を教えてください。

光沢感はハイコントラストで表現します。ガラスの場合には、透明感も重要ですので、色味を濁らせず清々しく表現します。 重量感は、色味が大切だと言えます。暗めの色が表現しやすいと思います。色だけではなく、地面(グランド)との距離感は大事です。つまり環境とのマッチングと言うのでしょうか?

授業用資料1

授業用資料2

— 山下先生の授業内容、また授業の中で大切にされていることを教えてください。

スタイリングする行為と考える行為の双方を意識する事を「デザインする事」として教えています。また、言われたものを決められた時間内にデザインとして仕上げる能力は大事ですが、それだけだとこれからのデザイナーには十分でなく、広い意味で「デザイン」を捉える能力がデザイナーには求められていると考えます。例えば、社会に対してデザインした製品が与える影響を配慮したり、貢献度を推し量ったりすることの様な自分が与える影響力を常に考慮して欲しいとおもいます。 社内においては、常に製品の全体を俯瞰(ふかん)できるような心構えと広い視野を持ち、開発全体に影響を及ぼすことのできる素養を持って欲しいと思っています。そして将来デザインで社会に貢献できる一流のデザイナーになって欲しいと思います。もちろんですが、アイデアの出し方や表現力があっての話ですから、スキルを上げることには注力して授業をしています。

授業中

Car Design Academy、首都大学東京、女子美術大学などの多くの場で若い世代に講義を行う

— これからカーデザイナーを目指す人たちに向けてメッセージをください。

先ほどお答えしたように、デザイナーが果たす役割が広がってきた現代において、単に絵が上手いだけでは十分ではない事を理解して、幅広い知識と経験を身に付ける事をお勧めします。また、自動車業界は今「100年に一度の大変革期」を迎えています。これから自動車のデザインを志す方々は、とても恵まれた時代の入り口にいる事を意識して、素晴らしい活躍をされる事を期待しています。デザイン力だけでなく、英語力、コミュニケーション力も高めてください。頑張ってください!羨ましいです!!

山下先生に、実際に授業の中で教えられているようなアイデアスケッチテクニックについて教えていただきました。勢いのある線の描き方、描き込むにつれスピードを感じられるように仕上がるデザインにご注目ください。 使用している道具 ・コピッククラシック ・PMパッド A3 ・色鉛筆 ・油性ペン ・ボールペン

投稿 山下敏男コピック公式サイト に最初に表示されました。

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