2018年4/14,15日「Copic Thanks Party」を開催しました
イベントレポート2018.4.17
2018年4月14日と15日の2日間、東京・お茶の水のワテラスコモンにてコピック30周年クロージングイベント「Copic Thanks Party」を開催しました。
Copic Thanks Partyは2017年3月からスタートしたコピック30周年企画を締めくくるイベントとして企画されました。
コピック初の公式コンテスト「コピックアワード」の受賞作の原画展示のほか、プロのアーティストの方を招いたライブドローイングやワークショップなどを企画し、ご来場の皆様にコピックの魅力をお楽しみいただきました。
1日2回のステージイベントでは、コピックアワードの審査員も務めたオリバー・ノイランド氏によるマーカーレンダリング講座や、大人気漫画家の窪之内英策氏、峰倉かずや氏、イラストレーターのフィッリップ・タン氏による素晴らしいライブドローイングを披露していただきました。
■マーカーレンダリングとデザインの哲学 / オリバー・ノイランド氏
オリバー・ノイランド氏は、BMWなどの有名企業にも務めた実績多数のインダストリアルデザイナー。正確にパースを取ってデザインを起こしながら、迷いなく引かれていくマーカーの線の美しさにはデザインを学ぶ者に限らずとも感銘を受けました。彼のデザインにかける情熱は非常に強く、コピックアワード デザイン部門の審査員も担当していただいております(https://copicaward.com/ja/winners/)
■窪之内英策氏によるライブドローイング / 窪之内英策氏
漫画家・イラストレーターとして活躍する窪之内英策氏にも登壇していただき、女の子のイラストの描き起こしから着彩までを作画していただきました。
日本人の黒髪にはトナーグレイが合っている、とのことでT-4やT-5を使用して塗っていきます。
ハイライトの白地を感覚的かつ不自然にならないように残して塗っていく技術は流石。飾らない言葉で会場の皆様を笑わせつつも、その確かなコピックテクニックで、あっという間に可愛らしい女の子を仕上げていただきました。
■「アメコミ」ライブドローイング / フィリップ・タン氏
アメリカンコミックス界の第一線で活躍しているアーティスト、フィリップ・タン氏によるライブドローイングでは、他の実演と趣向を変え、モノクロ作品の完成に挑戦。
マルチライナーや画箋筆、オペークホワイトなどを使用し「ウルヴァリン」のイラストを描きあげていただきました。会場の方に描き下ろし色紙をプレゼントする時間もあり、大盛り上がりの時間となりました。
■最遊記描き下ろしライブドローイング / 峰倉かずや氏
コピックユーザー憧れの作家としても名高い、漫画家の峰倉かずや先生にも登壇していただきました。今回のために描き下ろしていただいた『最遊記』メインキャラクターが揃った豪華なイラストの線画がスクリーンに映されるとファンの皆様にどよめきが……!
細やかな線画に着彩していく様子には、会場にいる全員が釘付けになりました。
肌はE11(中間色)、E04(濃い色)、E51(薄い色)の順で塗っていきます。色の塗り方というと薄い色から塗っていくのが基本だけれども、ある時からその塗り方に縛られなくていいと気づき、一番薄い色は後から塗るようになったとのこと。瞳の影などはBV00で描きこんでいらっしゃいました。
2時間半の実演の中で肌、髪、瞳まで塗り進めていただき、後日イラストが完成!
●スキャンのみ
●デジタル加工
●写真
使う道具は同じコピックでも、使う人によって描き方、出来上がりが全く違います。
いつも使う色、お気に入りの色、色を塗るコツ……といったコピックトークを交えながらもどんどん線画を彩っていくプロのコピック使いを前に、観覧者は目が離せません。
プロのテクニックを余すことなく観ることができる、豪華なステージイベントとなりました。
当日のライブペイント動画はYoutubeにて公開予定です!どうぞお楽しみに!
2日目の15日にはクラフトのワークショップも開催しました。
クラフトの本場、アメリカでコピックのインストラクターを務めているミシェル・ホートン氏、デビー・オルソン氏から丁寧に教わりながら、カードメイキング体験をしていただきました。
1時間30分の講座の中で、素敵なカードが出来上がりました! アメリカではこういったカードメイキングやスクラップブッキングの制作にコピックが用いられることが多く、ワークショップやコピック講座などが盛んに開かれています。
会場内に展示されたコピックアワードの受賞作からも、コピックがいかに多様な使われ方をしているのかを感じることができました。
コピックアワードはコピック30周年企画のうちの一つで、2017年に初めて開催した全世界のコピックユーザーを対象にしたコピック作品コンテストです。
アワードには世界60カ国以上のユーザーから1000点を超える作品が集まり、「デザイン」「イラストレーション」「クラフト」分野よりそれぞれ大賞を授賞を選出させていただきました。
デザイン部門大賞 ナイジェル・ミュラーさん「Iconic Duo - Ferrari and Fiat Dino」
イラスト部門大賞 陳裕旻(チン・ユーミン)さん「Invisible」
クラフト部門大賞 黃于珊(ハン・ユーシャン)さん「Mini Specimen Box」
その作品のレベルの高さで、見事に大賞を獲得したのは、オランダのナイジェル・ミュラーさん、台湾の陳裕旻(チン・ユーミン)さん、黃于珊(ハン・ユーシャン)さんの3名。
3名の受賞者を日本にご招待し、14日の会場内で開催した授賞式に参加していただきました。
デザイン部門で大賞を受賞したナイジェル・ミュラーさんは弱冠19歳。
審査員のオリバー・ノイランド氏には、特に光の表現や反射の描き込みの素晴らしさといった点でコピックを見事に使いこなしている彼の作品が高く評価されました。
デザイン部門で大賞を受賞したナイジェル・ミュラーさん
「コピックアワードはインスタグラムで知りました。副賞として東京に来ることができると知り、チャンスだ!と思ってエントリーをしました。
経験も浅く、受賞できるか分からなかったけれども作品をこのように評価していただき、そして日本に招いていただいてとても嬉しく思います。貴重な機会をありがとうございました。」
イラスト部門の審査を務めた窪之内英策氏からは、
「審査の作品を見ながらコピックにこういう使い方もあるんだ、と自分自身がすごく刺激を受け、コピックユーザーとして収穫を得るものが多くありました。大賞の作品は一つの絵にカメレオンが多く潜んでいるというアイデアも面白い作品で、自分としては迷いなく大賞だと感じ選ばせていただきました。」
といったコメントも頂きました。
コピックアワードは第2回の開催を予定しております。皆様、ぜひ奮ってご参加ください!
また、コピック作品の展示としては70名を超えるクリエイターの方々に頂いた色紙も展示しました。
漫画家、イラストレーター、デザイナーなどコピックを扱う皆様から頂いた色紙には、貴重なイラストと共に「これからも一番大好きな画材」「いつもお世話になってます!」との嬉しいメッセージも多数。生の色紙を見に、わざわざ遠方からお越しになった方もいらっしゃいました。(色紙はこちらのページからもご覧いただけます。)
そして企業ブースには2018年2月号のOZmagazine内でコラボを組んだスターツ出版様、窪之内英策氏の特集号が大好評だったイラストノートを出版している誠文堂新光社様にも出展していただきました。
トゥールズ出張店舗ではコピック全色と関連製品、新製品「ememo」やオリジナルセット「ライフログセット」のほか、会場限定のアクリルキーホルダーも販売しました!
気鋭のゆるキャラ、しきっしーとエガオー、エガオーピンクが並ぶ似顔絵コーナーは朝から行列ができるほど大人気。お子様にもお楽しみいただけるイベントとなりました。
他にも、4作品の30周年キービジュアルや、寺田亨氏によるCopic Thanks Partyメインビジュアルの原画展示など、間近でじっくり見られる作品展示を用意しました。
コピックが多くのジャンルで使われていることやプロの方の技を見ていただくことで、新たな作品づくりのヒントになりましたらとても嬉しく思います。
当日は600名を超える多くの方にご来場いただき、盛況のうちに無事にイベントを終えることができました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!これからもコピックをよろしくお願いいたします。