
セシリア・ペテルソンはスウェーデンのヨーテボリを拠点に活動するフリーランスのデザイナー/アーティスト。デザインの修士号を取得(2009年にヨーテボリ大学デザイン工芸アカデミー(HDK)卒)。セシリアはプリントパターンのデザインを専門としており、彼女の創作は、手描きのドローイングやペインティングから始まる。

あなたはご自身をどのように定義しますか?テキスタイルデザイナー?イラストレーター?ビジュアルアーティスト?それともこのすべて?
通常、自分のことを「プリントパターンデザイナー」だと定義しています。衣料向け生地にプリントされるモチーフのイラストや、デザインパターンを描いたりしています。

テキスタイルデザインに興味を持ったきっかけと、それを仕事にしようと思ったきっかけを教えてください。
スウェーデンのヨーテボリ大学デザイン工芸アカデミー(HDK)でデザインを学びました。卒業後、グラフィックデザインに集中すべきか、イラストレーションに集中すべきか、それともプロダクトデザインに集中すべきか、自分の中で葛藤がありました。 修士課程に進み、パターンデザインを専門にすることに決めました。
パターンデザインは総合的で、すべてのプロジェクトが異なります。私のデザインが生地にプリントされることもあれば、壁紙になることもあります。
北欧のデザインはシンプルで機能的というイメージがあります。これはあなたのテキスタイルデザインにどのような影響を与えていますか?また、好きなデザインの原則はありますか?
私のデザイン言語は、北欧のスタイルとはかけ離れていると思います。私のデザインはmore is moreで、多くの場合北欧デザインはless is moreですからね。でも、私はスウェーデンを取り巻く環境、自然にとても影響を受けています。モチーフに選ぶのはスウェーデンの動物であることが多いですし、森を描くのも大好きです。

新しいテキスタイルデザインを開発する際の創作プロセスについて教えてください。インスピレーションは通常どこで得ますか?
私のインスピレーションのほとんどは、スウェーデンでの自然にとても近い生活から得ています。私のモチーフは、子ども時代とスウェーデンの自然から着想しています。通常の場合、実際にどう見えるかよりも、記憶やアイデアからイメージを膨らませて作品を制作しています。写真から絵を描くのは好きではなくて、例えば花を描くなら、実際の花を目の前にして描きたいのです。その花がどのように成長し咲いていくのかがわかりますからね。
スケッチがあまり得意ではないのもあって、コピックを愛用しています。インクから始めて、紙の上で起こることを中心にデザインを展開していくのです。大まかなプランはあるけれど、たいていの場合は流れに身を任せています!
欧の文化や自然は、この地域の多くのデザイナーにとって豊かなインスピレーションの源です。北欧の文化や自然の要素をどのようにデザインに取り入れていますか?
はい、すごく影響を受けていますね。私にとって最大のインスピレーションの源です。

北欧の職人技の伝統を踏まえ、伝統と革新のバランスをどのようにとっていますか?
私にとっては、トレンドの方が関係していると思う。でも流行を追うべきか、それとも自分の道を行くべきかと考えたら、たいていの場合、流行は気にしないし、伝統に従うことも重視していません。私はただ自分のやり方で作品を創るだけです。
特に誇りに思っているプロジェクトや、制作中にユニークな課題を突きつけられたプロジェクトについて教えてください。
これまでに二件の公共事業を手がけました。ひとつは病院からの依頼で、待合室の天井と壁に反復されるパターンを描きました。蝶と、蝶が生命の象徴としてどのように変化していくかをテーマにしました。この病院では、イエスかノーか、つまり生きるか死ぬかの状況にある患者さんが多かったのです。私は蝶がどのように円を描きながら移動し、いつしかその繰り返しをやめ、別の方向へと飛んでいくのか、つまり新たな旅に出るのか、というテーマに取り組みました。このコンセプトで創作することで、アートやデザインが、人生においてクリティカルな局面に立たされた人々のために何ができるのか、いろいろと考えさせられました。アートがどれほど重要か、ということですね。


コラボレーションはしばしばデザイン・プロセスの重要な部分です。プロジェクトで他のアーティストやデザイナーとコラボレートしたことがありますか?
私にとってコラボレーションとは、クライアント、そして彼らが持っているアイデアを踏まえて仕事をすることだと思っています。簡潔な課題をもらい、それをビジュアルに変換するわけですが、それがクライアントの求めていたものということもあれば、共通認識を得るために何度もやり直すこともあります。そういったコラボレーションはいつもとても刺激的です。私にとってはドローイングを通じたコミュニケーションであり、クライアントのビジョンを実現するために努力しています。私はコラボレーションが大好きです!


デザインにどのような画材やテクニックを好んで使いますか?
主にコピックマーカーを使っています!お気に入りはマルチライナーの各色。大好きなので、もっといろんな色があればいいのにと思っています。私のポートフォリオを見ると、コピックマルチライナーの配色を見ることができ、コバルトブルーが私の絶対的なナンバーワンであることがわかります。絵を描くときはコピックマーカーを使います。私にとっては、ガッシュや他のリキッドペイントを使うのとほとんど変わりありません。色を重ねたり、混ぜたり、サーフェスを構築したり。インクの透明度が高いので、ほぼ永遠に色を重ねることができますしね。終わりがないんです!
コピックマーカー(またはマルチライナーペンなどその他コピック製品)を使い始めたのはいつですか?また、使おうと思ったきっかけは何ですか?
コピックを使い始めたのは、パターンを専門に描き始めた2007年のことです。色の豊富さ、発色の良さ、適切な紙を使ったときのスムーズなタッチが気に入ったのです。多くのパターンデザイナーが伝統的にガッシュを使っていますが、私は何か違う画材を試してみたかったし、ペンで描くのも好きだったので、コピックが私の制作方法になりました。色のフィールドを使い、重ねることで奥行きを出していくのはとても楽しいです!色もたくさんありますしね!

お気に入りのコピック製品は何ですか?
それはもうコピックマルチライナーです!ペン先のサイズが選べるのがいいですね。彩色するときはコピックマーカーです。ニブを変えることで極細の線を描くことができますしね。エアブラシを使うのも楽しいし、コピックの多様多種なペン先とインクを使ってできることはたくさんありますから、コピックを探求するだけでも、私のアート人生のすべてを費やせそうな気がします!
デザインにおいて、色は重要な役割を果たします。デザインのカラーパレットはどのように選んでいますか?また、コピックでよく使うお気に入りの色や組み合わせはありますか?
YG45、コバルトグリーンにハマっています。いままで見た中でもっとも完璧なグリーンです。本当に多用していて、ほとんどすべてのデザインに使っています。クライアントと仕事をするときは、たいていパントーンのカラーパレットで色指定があるのですが、そこからコピックの色に変換します。時には、求めている色合いを得るためにインクを混ぜてカスタマイズしたりすることもあります。

あなたの作品の美しさとコピックマーカーの技術には目を見張るものがあります。コピックファンと共有できるユニークなヒントやコツはありますか?
コピックマルチライナーとコピックマーカーを組み合わせて使うといろいろなことができて、とても楽しいです。コピックの色はとてもバランスがいいと思っています。必要な色はほとんど揃っているし、ほしい色がなかったとしても重ね塗りしたり、空ペンでインクを混ぜてカスタムカラーを作ったりできますからね!
プロのデザイナーやイラストレーターを目指すコピックファンへのメッセージやアドバイスをいただけますか?
ペンを探求し、調べて、何ができるのか知りましょう。手直しすることやあきらめることを恐れないでください。うまくいかなかった作品でも、作品であることに変わりはありません。練習が鍵です!流れに身を任せて自分の限界に挑戦しましょう。スケッチではなく、ただ描くことです。あと、適切な紙を使いましょう。これはすごく重要なことなのです。
