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株式会社Kom&Co. & KDDI株式会社|マモリーノウォッチ

株式会社Kom&Co. Design   http://www.kom-co.jp

スマートフォンのデザインディレクション、化粧品や飲料のグラフィックデザインを始め、 工業製品や店舗などのデザインやブランディングコンサルティングなどを幅広く手掛けるデザイン事務所。

KDDI株式会社   http://www.au.kddi.com

国内・国際通信全般を手掛ける日本国内の大手電気通信事業者。 2016年3月に国内初の通話・メールが可能なキッズウォッチ「マモリーノウォッチ」を販売開始。

色選定の検討段階から製品化までのワークフローにおけるカラー展開

今回、「マモリーノウォッチ」製品のカラー展開を行うにあたり、コピックのプラスチック製色見本「コピックプラスチックカラー・ソリッドチップ(以下CPC)」を色選定の検討段階から使用して頂きました。 製品化までのワークフローにおいてCPCがどのように使われたのか、株式会社Kom&Co. Designの代表、小牟田様そして、KDDI株式会社のプロダクト企画本部プロダクト企画部の西田様と児玉様にお話を伺いました。

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「マモリーノウォッチ」とは

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— 国内初のキッズ向け通話・メール可能な時計として、企画・製造段階でCPCをご活用いただいた「マモリーノウォッチ」はどういった製品ですか。

西田:防犯ブザー型の子ども向け携帯電話は今までもありましたが、お子さまが遊んでいる時など電話をしても出てくれないとかメールを送っても見てくれないといった声がありました。そこでいつでも電話に出られるように身につけていられる形、時計型の携帯電話がいいのではという事で、この商品の企画に至りました。

盤面がタッチパネルになっていて、タップするだけで電話やメールができますし、中にキャラクターが入っていて、そのキャラクターに「ママに電話」というように声をかけると音声を認識して、自動的に電話がかかるようにもなっています。 特徴としては、 ・腕時計としても、ペンダントとしても選べる2つの形になる ・お子様の居場所が常にGPSで確認できる ・通話やメールが簡単操作でできる というところです。 余談ですが、時計に顔を近づけてしゃべるというのが、近未来的で、しかもかなり高性能なので、キッズ向けではあるのですが、結構年齢が上の方からもご評価をいただいています。

製品デザインのプロセス

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— とても可愛い形や色が揃っていますが、どのようにデザインや形を固めていかれたのでしょうか。

西田:我々はキッズ向けの商品は作ってきましたが、これまで腕時計型の商品を作ったことがなかったので、腕時計のあるべき姿、デザインなどの点で経験を豊富にお持ちのKom&Co Designの小牟田さんにお願いをしました。

小牟田:四角型にするのか、丸型にするのかという見た目のデザインから、どうしたら最小の手間数で最大の効果が得られるような作りになるかといった作り手側の考えもいれつつ、かつ、綺麗に子供に好かれるようなデザインになるかも考えて固めていきました。 一つ一つのパーツの色や形はもちろんのこと、リングとベルトのコンビネーションなどにも気を遣っています。 また、商品を入れる箱も商品とリンクした色や形になるように工夫し、お子様が開けた時に喜ぶ顔を想像しながらデザインしました。

製品の色を決める際のプロセス

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— すごく可愛い色が選ばれていますが、製品の色を決める際のプロセスを教えてください。

小牟田:まずは様々な色の候補、組み合わせのバリエーションを用意して、女の子はアクアピンクを基調としたパステルカラー、男の子用の色はブルーの組み合わせが良い、どちらにも使える色は緑が良い、という風にデザインチームでディスカッションしながら決めていきました。

児玉:筐体の色については、色のラインナップの統一感を持たせるために様々な候補の中から決めていきましたね。 最終的には時計本体のベース部分は、白になりましたが、最初は黒もありました。 さすがにキッズ向けで黒は重すぎるのでボツになりましたが、ベース本体、リングとベルトの色など本当にいろいろな組み合わせを検討しました。

— バンド部分はシリコン、盤面はプラスチックかと思いますが、どちらの色もだいたいイメージ通りになりましたか?

小牟田:大抵色を見る時は、紙で見当をつけてから、物に塗装をして色合わせをしていくのですが、ただやはりどうしても塗装(インクの色)なんですね。 その点、CPCはプラスチックの生地そのものが構造的に発色していて、物の厚みや深みによる色の見え方が再現されているので、完成形が非常にイメージしやすかったです。

CPCはどこで登場し役立ったのか

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— CPCは製作のどこのプロセスで登場したのでしょうか。

小牟田:デザインをする最初の段階で、リアルに想像できることが重要だったので、初期のイメージ作りの段階から登場していました。 今回はデザインコンセプトからマット調にしたかったので、オモテ面の光沢面ではなく、裏面のシボ面を主に使っていきました。

— 工場(生産現場)とやり取りなどで、色合わせに時間はかかりましたか。またその中でCPCはお役に立ちましたでしょうか。

小牟田:当初はプラスチックの箇所とシリコンの箇所の色が合わず、結構苦労しましたが、その際もこのCPCが、プラスチック部の色合わせにも、シリコン部の色合わせの時も非常に役に立ちました。 シリコンやウレタンやポリカーボネートなど素材に関わらず、大事なのは厚みによる色の見え方や透け感なので、そこは全部やり方は同じで、ずっとこのCPCを持ち歩いて製造現場とやりとりをしていましたね。

塚田:西田:ベルトの留め具が入っているので、透けて見えるのは絶対NGだったんですよ。 なので、逆に工場側に透ける色のCPCを見せて、この濃度だと透けるので、これ以上の遮蔽度で作ってと指示するのにも役に立ちました。 立体物になった時に、色によっては透けやすい、透けにくいがあるので、そこのやりとりでも使えたのは良かったですね。

児玉:蛍光灯によっても見え方が全然違ってしまうので、蛍光灯を変えたり、自然光にできるだけ近い環境で色合わせをしたりして、色合わせは本当に苦労しましたね。

—ちなみに、CPCにはないのですが、白の部分はどうやって決めたのでしょう。

小牟田:もっともニュートラルで周りを綺麗に見せる白を選びました。もともと子供向けということで、青や緑など強い色を使おうということは決まっていたので、それらの色の調和を崩さず、パールを少し入れてバランスをとれるような白を選びました。

CPCの良かった点

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— ズバリ、CPCの良かった点を教えてください。

小牟田:完成系がリアルにイメージできるのがやはり一番良かった点ですよね。

児玉:我々が何かを作る時は、大抵立体物なので、2次元の状態で色を検討することは少ないんですね。そのためできるだけ多くの立体物を持って厚みだとか質感だとかを含めた色を検討するので、このCPCのような色見本があると非常にコミュニケーションがスムーズになりますね。

— 様々なアイディア検討や試行錯誤の結果、この高性能で美しい商品が生まれたのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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